「重ね煮って、うちの鍋でもできるの?」
一番よくいただく質問です。
仕事・育児・家事に追われる毎日。
「子どもたちに栄養のある手づくりごはんを食べさせたいけれど、時間が足りない…」
そんな思いを抱えるママに人気なのが「重ね煮」です。
でも実際に料理している様子や動画を見てみると、
「無水鍋が必要なの?」「うちの普通の鍋でも大丈夫?」
そんな疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと──
重ね煮は、特別な鍋がなくても大丈夫です!
家庭にある普通の鍋でも、コツさえつかめばおいしく仕上がります。
今回は、実際に厚手の鍋と一般的な鍋で同じメニューを作って比較検証してみたのでご紹介します。
厚手の鍋と一般的な鍋で同じメニューを作って比較
解説するよりも、実際に比較検証した様子を見ていただくと分かりやすいと思います。
焦げ付きやすそうな料理として、重ね煮でつくるミートソースをチョイスしてみました。
まずは以下の動画を見てみてください。
今回のレシピは、厚手の鍋と普通の鍋のどちらでもうまく調理できましたが、厚手の鍋の方が蒸気が逃げにくく、焦げつきにくい安心感はありました。
重ね煮は普通の鍋でも大丈夫!その理由

重ね煮の魅力は、野菜のうまみと甘みを最大限に引き出せること。
実はこれは、鍋の種類よりも“蒸気と対流”の力によって生まれています。
野菜を重ねて蒸し煮にすることで、下の野菜から出た水分と上の野菜のうまみが全体に広がります。
この“うまみの循環”が起きれば、厚手の鍋でも薄手の鍋でも美味しく仕上がるのです。
つまり大切なのは、「鍋の厚さ」よりも「ふたがしっかり閉まるかどうか」。
蒸気が外に逃げず、鍋の中でしっかり対流できれば、お家にある一般的な鍋でも重ね煮は成功します。
普通の鍋でうまく作る3つのコツ

厚手の鍋でなくても上手に重ね煮をつくるコツは以下の3つです。
1. ふたの蒸気穴をふさぐ
ふたに蒸気穴があるタイプの鍋は、そこからうまみの蒸気が逃げてしまうことがあります。
アルミホイルや、にんじんの切れ端などを軽く詰めておくと◎。
実際に私も、にんじんのヘタでふさいだことがあります(笑)。これだけで、鍋の中の対流が安定して美味しさがアップします。
2. 焦げつき防止に水を少し加える
普通の鍋は厚手鍋に比べて熱が伝わりやすいため、焦げやすいです。
使っている鍋の焦げつきが心配。そんなときは、水を大さじ1〜2程度加えるだけで焦げつきにくくできます。
重ね煮のうまみを損なわず、程よい蒸気が循環します。
3. 火加減は「弱めの中火」でスタート
沸騰まで中火で加熱し、蒸気が上がってきたら弱火へ。
火が強すぎると下の野菜が焦げやすくなるので、じっくり“野菜の水分で煮る”イメージで火加減を調整します。
検証で作ったメニューご紹介|重ね煮でつくる「野菜たっぷりミートソース」

野菜のうまみでコトコト煮るだけ作業時間はたった10分。ほぼほったらかしで完成します。
冷凍OKでアレンジもしやすい忙しい日の“お守りミートソース”です。
【材料】4人分
- 合いびき肉 400g
- しめじ 1パック(100g)
- カットトマト 1箱(400g)
- 玉ねぎ 1個(200g)
- にんじん 1本(100g)
- にんにく 1片分
- 塩 小さじ1/3(重ね塩)
- A ケチャップ 大さじ2
- A 中濃ソース 大さじ2
- A きび砂糖 小さじ1
- A コンソメ 小さじ2
【作り方】
- しめじ、玉ねぎ、にんじんは粗めのみじん切りにする。にんにくはみじん切りにする。
- 鍋に下から、塩(ひとつまみ)→しめじ→カットトマト→玉ねぎ→にんじん→にんにく→合いびき肉→塩(ひとつまみ)の順に重ねる。
- 蓋をして中火にかけ、沸騰したら火を弱めて20分加熱する。
- 蓋を開け、肉をほぐして【A】を加え、5分ほど水分を飛ばしながら煮詰める。
【ポイント】
・野菜はみじん切りにしていますが、角切りもおすすめです(手間が省ける&食べごたえがあります)。
・時間をおいて一度冷ますと、味がなじんでより美味しく食べられます。
重ね煮ミートソースの使い方4選
作り置きしておけば、平日ごはんがぐんとラクに!好きな食べ方でアレンジできます。
- スパゲッティに:トマトの酸味と野菜の甘みで子どもも喜ぶ味わい。
- タコライスに:ごはんにのせて、チーズとレタスでカフェ風ごはん。
- ドリアに:ごはん+ホワイトソース+チーズでオーブン焼きに。
- トーストに:パンにのせて焼けば、忙しい朝にもぴったり。
冷凍しておけば1ヶ月保存可能です。
「今日は何も作りたくない…」そんな日に、このミートソースがきっと助けてくれます。
まとめ

重ね煮は「専用鍋でなければならない」調理法ではありません。
どんな鍋でも、ふたの密閉・火加減・野菜の重ね方を意識するだけでうまくいきます。
むしろ、家にある鍋で作れることが分かると、「今日やってみようかな」と行動のハードルがぐっと下がりますよね。
「難しそう」「時間がかかりそう」
そんな印象を持っていた方も、まずは週末に“普通の鍋”でチャレンジしてみてくださいね。